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飲食店居抜きの造作譲渡契約 譲渡金200万を価値ゼロにしない実務

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この記事のポイント

造作譲渡リストが曖昧で退去時に700万円請求された事例があるリスト作成・所有権確認・減価償却・原状回復の分担仲介1,000件超のプロが契約直前の実務ポイントを全公開

仲介1000件の現場で見てきたのは、飲食店居抜きの造作譲渡契約で失敗する事例の数々

造作譲渡契約は「紙切れ一枚」で数百万円動く

200万円で譲渡金を払った借主が、数年後の退去時に原状回復で700万円を請求された実例を私は見た

原因はたった一つ造作譲渡リストが曖昧だったことだけ「居抜きで入ればお得」と考える個人店主が大半だが、契約書の中身を理解せずに判を押すと居抜きは地獄になる仲介1,000件超の現場から、契約直前の実務ポイントを全公開する

造作譲渡リストの実フォーマット — 20項目以上の厳密版

倶楽部会員さんの実際の成果

整体院オーナーの会員さん(名古屋) フリーレント1ヶ月+定額修繕費を退去時払いに変更。初期費用を約40万円削減し60万円で出店を実現

倶楽部のチャットを覗きながら交渉したらうまくいきました。聞いたりしたわけでもないのに結果が出た(会員報告より)

板橋区でスクール事業を開業した会員さん 4社申込みの中で2番手だったが、倶楽部で学んだ資料を提出したところ大家さんから逆指名。フリーレント1.5ヶ月・30万強の削減を実現

複数社申込みの中でフリーレント1ヶ月半取れた(会員報告より)

飲食店2店舗を同時に家賃交渉した会員さん 新店舗:7万円→65,000円に減額+現状回復不要を取得。移転店舗:77,000円→70,000円+フリーレント1ヶ月を獲得

わずかな金額でも積み重ねると固定費が大きく変わると実感した(会員報告より)

まず結論造作譲渡契約はリストの精度が全て「厨房機器一式」「内装設備一式」の「一式」という表記が入ったら赤信号この曖昧さが退去時の揉め事を生む実際に通じるリストは以下のような構造になる

カテゴリ 項目例 必須記載
厨房機器 業務用冷蔵庫・製氷機・コールドテーブル・フライヤー・ガスレンジ・オーブン・グリドル・電子レンジ・シンク メーカー名・型番・製造年・数量・状態
排気・給排水設備 グリスフィルター・ダクト・排気ファン・給湯器・シンク配管 メーカー・型番・設置位置
空調設備 エアコン(店内・厨房・バックヤード別)・換気扇 メーカー・型番・馬力・設置位置
内装・造作 カウンター・客席テーブル・椅子・間仕切り・床材・壁クロス・天井材 材質・数量・位置
電気設備 分電盤・照明器具・スピーカー・配線 ブランド・数量
水回り設備 トイレ・手洗い・シンク・グリーストラップ メーカー・型番
POS・IT機器 レジ・タブレット・ルーター・防犯カメラ メーカー・型番・契約状態
看板・サイン 外看板・袖看板・タペストリー・メニュー看板 材質・設置位置

これだけで20項目は軽く超える曖昧な一式表記を排除し、1つ1つ現物確認してリスト化するこの作業に1〜2日かける価値はあるここをサボった個人店主が、退去時に数百万円を請求される

所有権の3パターン — 誰のモノかで全てが変わる

造作物の所有権は3パターンに分かれるリストの各項目ごとに「誰の所有物か」を明確にする必要がある

パターン1: 前テナント所有(譲渡対象)

前テナントが購入・設置したもの厨房機器・POS・看板などが該当これは譲渡対象譲渡金を払えば次のテナントの所有物になるが、リストに明記されていないと退去時に「実はオーナー所有だった」と主張される

パターン2: オーナー所有(建物附属設備)

建物の躯体に固定されている設備エアコン本体・給湯器・排気ダクト・天井・床・壁などこれはオーナー所有次のテナントが所有権を取得することはない譲渡金の対象外にも関わらず、前テナントが「含む」と主張することがある必ずオーナーに確認すること

パターン3: リース会社所有(リース中)

最も厄介なのがこれ特に業務用製氷機・POSレジ・コーヒーマシンなどにリース品が混ざっているリース品は前テナントが譲渡する権利を持っていないにもかかわらず、リストに入れて譲渡金を請求するケースがある契約後にリース会社から引き揚げに来られる最悪パターン

所有権の確認方法

  • 前テナントに「購入品・リース品・オーナー設備」を書面で分けて申告させる
  • オーナーに「建物付帯設備リスト」を開示させる
  • リース契約書の写しを見せてもらう — リース品はこれで判別
  • 機器に貼られているリースステッカーを目視確認する — オリックス・東京センチュリー等のシール

この確認を怠ると、譲渡金200万を払った上に、数ヶ月後にリース会社から追加請求が来るという最悪の事態になる

譲渡金の税務処理 — 減価償却の注意

造作譲渡金は経費で一括計上できない「建物附属設備」として資産計上し、耐用年数で減価償却する必要がある税理士に丸投げする人が多いが、これを知っていないと開業初年度の資金繰りを読み間違える

造作物 耐用年数(目安) 200万円譲渡の年間経費
木造内装造作 15年 約13万円/年
厨房設備(冷蔵庫・ガスレンジ) 6年〜8年 25〜33万円/年
エアコン 6年〜13年 15〜33万円/年
看板・サイン 3年〜10年 20〜66万円/年

200万円の譲渡金を払っても、初年度に経費計上できるのは数十万円程度譲渡金は「資産」であって「経費」ではないこの認識がないと、開業初年度に赤字決算なのに税金を取られて資金繰りが詰む創業融資の返済計画にも響くから絶対に押さえる

実例: 退去時に700万円原状回復請求された事例

渋谷の飲食店で実際にあった話前テナントから造作譲渡金200万円で居抜き入居した個人店主リストは「厨房設備一式・内装造作一式」の2行だけこの2行が命取りだった

5年後、退去のタイミングでオーナーから原状回復の見積もりが来た金額は700万円内訳は以下

  • スケルトン戻し費用: 380万円(内装全撤去・下地戻し)
  • 厨房設備の撤去費: 120万円
  • 排気ダクト撤去: 80万円
  • 床下配管の原状復旧: 60万円
  • 産業廃棄物処理費: 60万円

借主は「居抜きで入ったから原状回復は前のテナントの分までは自分の責任じゃない」と主張したが、契約書にそう書いていないリストには「一式」としか書かれていないから、どこまでが前テナント設置でどこからが自分の改装か証明できない結果、700万円を支払って退去

この事例の教訓は3つ

  1. 造作譲渡リストに現況写真を紐付ける — 入居時の状態を証拠化する
  2. 原状回復の範囲を契約書で限定する — 「入居時の状態まで」と明記する
  3. オーナー・前テナント・新テナントの三者協定書を作る — 原状回復の分担を明確化

譲渡金をゼロ円で交渉した事例

逆の事例も紹介する練馬区の焼き鳥屋が撤退した物件前テナントは当初「造作譲渡金150万円」を提示したが、最終的にゼロ円で譲渡合意させた交渉のポイントは3つ

  1. 現状の問題点をリスト化し、改善コストを提示 — 現況の不備を交渉材料にする
  2. 市場での物件価値を調べ、過大評価を指摘 — 市場価値を根拠に価格交渉
  3. 譲渡後の迅速な賃借開始を提案 — 空室期間をなくすメリットを提示

板橋区でスクール事業の物件を探していた会員さんは、4社申し込み中で2番手だったが、倶楽部で学んだ「貸主提出資料」を提出し、逆指名を受け、フリーレント1.5ヶ月・30万強の削減を実現

整体院を名古屋覚王山駅徒歩5分の物件で開業した会員さんは、初期費用見積もり100万円をフリーレント1ヶ月+定額修繕費退去時払いで実質40万円削減し、60万円で出店できた

飲食店2店舗を同時に家賃交渉し、新店舗の家賃を7万円→65,000円に減額、移転店舗も77,000円→70,000円に成功、さらにフリーレント1ヶ月も獲得

テナント家賃交渉で5万円減額+敷金6ヶ月→3ヶ月に成功した会員さんは、倶楽部の教材資料を活用し「爆速でコンテンツ費用をペイした」と報告

倶楽部セミナーで学ぶ契約の落とし穴

倶楽部の「店舗運営を左右する不動産契約条件 見落としがちなポイント5選」セミナーで、契約の落とし穴を詳しく解説している

契約締結前に知っておくべきポイントを押さえることで、譲渡金の無駄を回避できる

よくある質問

Q. 造作譲渡契約でよくある失敗は何ですか?

造作譲渡リストが曖昧で、退去時に高額な原状回復費を請求されるケースが多いです

Q. 譲渡金を減額交渉するコツは?

現状の問題点をリスト化し、改善コストを提示することが有効です

Q. 契約前に確認すべきことは?

所有権の確認やリース品の有無、原状回復範囲の明確化が重要です

Q. フリーレントを得る方法は?

倶楽部のノウハウを活用し、貸主との交渉で条件を引き出すことが効果的です

Q. 資金繰りを安定させるには?

譲渡金の経理処理を理解し、初年度の資金計画を立てることが重要です

🎓 倶楽部限定セミナー:「店舗運営を左右する不動産契約条件 見落としがちなポイント5選」では、契約条件の具体的な交渉ノウハウを解説している このセミナーは店舗経営者倶楽部の会員さん限定で視聴できる

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