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経営改善

飲食店のアルバイト採用と定着 時給だけ上げても辞める理由

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この記事のポイント

時給100円上げても定着率は上がらない求人媒体の使い分け・面接質問・初日オリエン・シフト設計・退職理由の分析までを1,000店舗超の経営者から見えた定着の本質で解説

「時給を100円上げたのにまた辞めた」

この相談を私は年間50回以上受ける

答えははっきりしている時給と定着率は相関しないもっと正確に言うと、時給で釣った人は時給で辞める1,000件超の飲食店を見てきた現場感で言わせてもらうと、定着率の高い店と低い店の差は時給じゃない全く別の場所にある

時給≠定着率の構造 — 大手チェーンのデータが証明している

倶楽部会員さんの実際の成果

サロン経営の会員さん(店販改善) 倶楽部WEBセミナー後のアドバイスを即実践。店販売上10万円超えスタッフが月1〜2人→10人に増加。回数券も同月126万円販売

再現性が高く属人性ゼロ。誰でもその日からできる内容だった(会員報告より)

多業種展開の会員さん(新事業立上げ) 倶楽部入会1ヶ月で会費をペイ。新事業を確立し確立1ヶ月で5店舗拡大が決定

500万円でも安いと思っている。もっと高くしたほうがいいと繁友さんに言っている(会員報告より)

増店を検討していた会員さん(損失回避) 倶楽部で増店相談をしたところ、繁友さんに全力で止められ1,000万円の損失を未然に防いだ

不動産屋さんに止められたのは初めて。おかげで1,000万損せずに済んだ(会員報告より)

大手外食チェーンの人事データを見ると面白い事実がわかる時給1,300円の店と時給1,100円の店で、定着率はほぼ同じむしろ時給1,300円の店の方が離職率が高いケースすらある

なぜか答えはシンプル

  • 時給で選んだ人は「もっと時給が高い店」に引き抜かれる — 1,300円で来た人は1,400円で辞める
  • 時給の高さは期待値を引き上げる — 「この時給なのにこの扱い?」という不満が生まれやすい
  • 時給は他店が簡単に真似できる — 時給競争は消耗戦永遠に勝てない

定着率の高い店は時給以外の何かで勝負しているここを理解せずに時給ばかり上げる店は、穴の空いたバケツに水を注ぎ続ける

定着率の方程式

定着率を決める要素を現場から洗い出すとこうなる

要素 定着への影響度
人間関係(店長・先輩との相性) ★★★★★
シフトの融通 ★★★★★
初日の体験 ★★★★☆
将来性・成長実感 ★★★★☆
業務の難易度と教育 ★★★☆☆
時給 ★★☆☆☆

時給は最下位つまり時給以外の5項目を整えずに時給だけ上げても意味がない逆に他の5項目を整えれば、時給は平均で十分に定着する

求人媒体の使い分け — インディード・バイトル・タウンワーク・マッハバイト

媒体の特性を知らない店が無駄金を払う

求人媒体は全部違う店の立地・業態・求める人材によって最適な媒体が変わる適当に全部出している店は広告費を垂れ流している

媒体別の特性一覧

媒体 強み 弱み 向いている店
インディード 無料掲載可・検索流入・大量応募 応募の質がばらける・運用の手間 とにかく母数を集めたい店
バイトル 若年層に強い・動画掲載で雰囲気を伝えられる 掲載費が高い 学生・フリーター狙い
タウンワーク 主婦層・地域密着・紙面の信頼感 若年層には弱い ランチタイムのパート狙い
マッハバイト お祝い金システムで応募増 お祝い金目当ての応募も混ざる 短期決戦で人を集めたい店
Googleしごと検索 無料・地元検索に強い 運用ノウハウが必要 インディード併用で最強

おすすめはインディード(無料枠)+タウンワークまたはバイトルの組み合わせインディードで母数を取って、紙・動画媒体で信頼感を補強するこの2媒体戦略が現時点では費用対効果が一番高い

求人原稿で絶対に書くべき6項目

  1. 具体的な店の雰囲気 — 「和気あいあい」ではなく「スタッフ8名・平均年齢24歳・週1の賄いが名物」
  2. シフトの実態 — 「週2日3時間〜OK」「テスト期間は休めます」「急なお休みもカバー体制あり」
  3. 1日の流れ — 出勤から退勤までを時間軸で書く初めての人は不安を減らしたい
  4. 時給以外の特典 — 賄い無料・交通費全額・有給あり・社保加入など
  5. 成長できるポイント — 「接客を学べる」「将来独立したい人応援」
  6. 応募のハードルを下げる一言 — 「面接は私服でOK」「履歴書不要」「LINEで応募できます」

面接で聞く質問3つ — これで定着率が見える

「これまでのアルバイト経験を教えてください」では見えない

定型的な質問では定型的な答えしか返ってこない定着しそうな人と辞めそうな人を見分けるには、相手の価値観と環境を引き出す質問が必要

質問1: 「前のバイトを辞めた理由は何ですか?」

この質問で相手の退職パターンが見える

  • 「人間関係が悪かった」→ 同じことが起きると辞めるリスクあり
  • 「シフトが入らなかった」→ シフト希望が多い人
  • 「学校が忙しくなった」→ 仕方ない理由定着可能性あり
  • 「時給が合わなかった」→ 時給で動く人注意

悪い理由を答えてもマイナスにしない正直に言える人ほど定着する

質問2: 「1ヶ月先、3ヶ月先、半年先に何をしていたいですか?」

未来を描ける人は目標がある人目標がある人は簡単には辞めない答えが「わからないです」の場合でも、そこから一緒に目標を作れる会話ができる人なら採用

質問3: 「どんな時にこのバイトを辞めたくなりそうですか?」

この質問は衝撃的だが最高の質問採用面接で「辞める理由」を聞かれると思っていないから、本音が出る

  • 「怒鳴られたら無理です」→ 指導スタイルを調整するかどうかの判断
  • 「シフトを勝手に入れられたら」→ シフト管理を丁寧にすればOK
  • 「特に思いつきません」→ 定着しやすいタイプ

面接で本音を言える関係性を作れれば、働き始めてからも相談してくれる辞める前に相談される店は辞めさせずに済む

初日オリエン90分テンプレ — ここをサボると1週間で辞める

初日で辞める3つの理由

採用した人が1週間以内に辞めるケースは全業界で平均20%飲食店はもっと高い理由はほぼ3つ

  • 店長・先輩が放置する
  • マニュアルがなくて何していいかわからない
  • 休憩時間に誰も話しかけてくれない

初日の90分を丁寧に設計するだけで、1週間離脱率は半減する

90分オリエンの内訳

時間 内容 狙い
0〜10分 全スタッフ紹介・顔と名前の確認 心理的安全性
10〜25分 店のストーリー・理念・大事にしていること ここで働く意味づけ
25〜40分 店内ツアー(更衣室・バックヤード・トイレ・喫煙所) 物理的安心
40〜60分 1日の業務の全体像(ランチ→アイドル→ディナー) 全体像の把握
60〜75分 最初にやってもらう業務の説明とデモ 具体的な作業指示
75〜85分 質問タイム・不安を聞く 心理的ケア
85〜90分 LINEグループ追加・シフト共有アプリ登録 連絡体制構築

これを全部の新人にやる忙しい日は「忙しいから後で」ではなく「忙しい日は採用しない」のが正解初日をおろそかにした採用は全部失敗する

シフトシステム(週報制) — 定着率を劇的に上げる運用

シフトで辞める人が7割

退職理由のアンケートを取ると「シフトが希望通り入らない」「急な変更が多い」「連絡が遅い」で3割が占めるシフトは時給以上に定着率を左右する

週報制のシフト運用

  1. シフト提出は2週間前の月曜日まで — 曜日を固定する毎週同じ曜日に回るリズムを作る
  2. シフト確定は1週間前の金曜日 — 早く確定することで予定が立てやすい
  3. 変更希望はLINEグループで即対応 — 誰かが代わってくれたら店長が承認するだけ店長が1人でシフトを組み直さない
  4. 週1の「今週の共有」LINEメッセージ — 今週の予約状況・イベント・新メニュースタッフに「自分は情報を与えられている」という実感を作る

この運用ができるだけで定着率は劇的に上がるシフト管理ツールはAirShift・R-Shiftあたりが無料で使える

退職理由の分析 — 辞める理由は3つしかない

1,000店舗超の経営者から退職理由を聞き集めてわかったこと退職理由は本音レベルで言うとこの3つに集約される

理由1: 人間関係(退職理由の5割)

店長の態度・先輩のいじり・同僚との不和これが最大の退職理由表向きは「家庭の事情」「就活」と言うが、本音はほぼ人間関係

対策は一つしかない店長が率先して人間関係を作ること挨拶・声かけ・相談の場を日常に組み込む「仲が良すぎる店」は定着率が120%になる

理由2: シフトが合わない(退職理由の3割)

「もっと入りたい」「こんなに入れない」「急な休みが取れない」シフトの柔軟性がない店は必ず離職率が上がる

対策は週報制とLINEグループでの即時調整詳細は前章に書いた通り

理由3: 将来性が見えない(退職理由の2割)

「このバイトを続けて何になるのか」という問い特に長期で働いているスタッフが抱える

対策はキャリアパスを見せること新人→リーダー→時間帯責任者→店長候補、という階段を明示する時給表と連動させて「○○ができるようになったら時給+50円」と見える化する

定着率60%→85%の実例

知り合いの居酒屋オーナーが実際にやった改善を紹介する

項目 改善前 改善後
時給 1,050円 1,050円(据え置き)
初日オリエン なし・即現場投入 90分オリエン導入
シフト運用 店長が1人で組む 週報制+LINEグループ
面談 なし 月1の1on1(15分)
キャリアパス なし 4段階の昇格制度
6ヶ月定着率 60% 85%
月間採用コスト 12万円 3万円

時給を1円も上げずに定着率25ポイント改善、採用コストは月9万円削減年間108万円のコスト削減この数字は時給を上げて実現できるものではない

マニュアル作成の落とし穴

分厚いマニュアルは読まれない

「マニュアルを作れば定着する」と思って100ページのマニュアルを作る店があるが、誰も読まない新人は分厚い紙束を渡された瞬間に萎える

機能するマニュアルの作り方

  • A4で1枚の「初日にやること」シート — 出勤→着替え→朝礼→掃除の順番を箇条書きこれ1枚で初日は回る
  • 動画マニュアル — スマホで撮った30秒動画を業務ごとに用意LINEグループに保存新人は休憩中にスマホで見る
  • 紙マニュアルは最終参照用 — 分厚い紙は「困った時に開くもの」として厨房に置いておく

マニュアルを読ませるな、見せる仕組みを作れこれが定着率を上げる運用

やってはいけない採用・定着施策

  • 時給だけ上げる — 説明済み根本解決にならない
  • 人手不足で誰でも採用する — 「とりあえず採用」は1週間で辞める採用基準は下げない方が長期的にはラク
  • 店長が毎日機嫌を変える — 気分で態度を変える店長はスタッフを失う一番の退職要因
  • 「飲みニケーション」を強要する — 今の若い世代には逆効果任意参加にする
  • 退職する人を引き止めすぎる — 辞める決意を固めた人を引き止めても短期で辞める笑顔で送り出して、OBネットワークに変える方が賢い

よくある質問

Q. 時給を上げるのは全く効果がないのですか?

効果ゼロではないただし他の要素が整った後の「最後の仕上げ」として上げるのが正解順番が逆だと金が消える人間関係・シフト・教育が整ってから時給を上げれば、効果は最大化する

Q. どうしても人が来ない場合、何から手を付ければいいですか?

求人原稿を書き直すこと8割の店は求人原稿が悪い具体的な店の雰囲気・シフトの実態・1日の流れを書き込むだけで応募数は2倍になる媒体を増やすのはその後

Q. 外国人留学生を採用しても大丈夫ですか?

大丈夫むしろ今の飲食店は外国人なしでは回らないただし在留資格の確認週28時間の上限は必ず守る違反すると不法就労助長罪面接時に在留カードの現物を確認して、コピーを保管する

Q. 店長が変わると一気にスタッフが辞めるのですが

これは店長依存の組織になっている証拠人ではなく仕組みで定着させる体制に変える必要があるマニュアル・シフト運用・評価制度を店長個人ではなく店として持つ

Q. アルバイトから社員登用したいのですが

素晴らしい施策だが、制度を明文化する必要がある「頑張ったら社員になれる」ではなく「3ヶ月ごとの評価で○○と○○を満たしたら社員登用試験」と具体化する曖昧な期待は裏切りの源

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