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経営改善

飲食店の日繰り表の作り方 現金ショートを90日前に察知するExcel

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この記事のポイント

店舗経営者俱楽部会員さんが使っている日繰り表の実物翌月3日の家賃引落しで残高不足を40日前に発見する仕組み、日別・週別・月別の3層構造、Excelテンプレの全項目を公開

「来月の家賃払えるかどうかわからない」

これを経営と呼ぶのは無理がある でも飲食店オーナーの半分以上が実際にこの状態で店を回している 通帳を見て「まだあるから大丈夫」と判断し 月末近くになって引落しで通帳がショートしてから慌てる

私が店舗経営者俱楽部の会員さん300名を見てきて断言できる 日繰り表を作れない経営者は3年以内に必ず資金ショートする 逆に日繰り表さえ作れていれば現金ショートを40〜90日前に察知できる これは精神論でも根性論でもなくただのExcel作業

日繰り表と資金繰り表の違い — ここを混同すると意味がない

項目 資金繰り表(月次) 日繰り表(日次)
単位
目的 月末残高の予測・資金計画 日々の残高とショート時期の特定
精度 低(月単位で均す) 高(日単位で入出金)
有効な期間 3〜12ヶ月先の計画 翌日〜90日先の現金管理
ショート察知 難しい(月末時点でしか見えない) 可能(30〜90日前に警告)
作成頻度 月1回 週1〜2回更新

倶楽部会員さんの実際の成果

サロン経営の会員さん(店販改善) 倶楽部WEBセミナー後のアドバイスを即実践。店販売上10万円超えスタッフが月1〜2人→10人に増加。回数券も同月126万円販売

再現性が高く属人性ゼロ。誰でもその日からできる内容だった(会員報告より)

多業種展開の会員さん(新事業立上げ) 倶楽部入会1ヶ月で会費をペイ。新事業を確立し確立1ヶ月で5店舗拡大が決定

500万円でも安いと思っている。もっと高くしたほうがいいと繁友さんに言っている(会員報告より)

増店を検討していた会員さん(損失回避) 倶楽部で増店相談をしたところ、繁友さんに全力で止められ1,000万円の損失を未然に防いだ

不動産屋さんに止められたのは初めて。おかげで1,000万損せずに済んだ(会員報告より)

会計ソフトが吐き出す月次の資金繰り表だけでは 月の途中で起きるショートを察知できない 飲食店は月末月初に家賃・給与・仕入の支払いが集中する 月末時点で残高100万円でも 翌月3日に家賃80万 給与120万 仕入60万の引落しが来たら即死 この「日単位の地雷」を可視化するのが日繰り表

店舗経営者俱楽部会員さんが使っている日繰り表の全項目 — 実物ベースで公開

ここから先は店舗経営者俱楽部会員の焼肉店オーナー(東京都内3店舗運営)が実際に使っているExcelの構造を許可を得て公開する 月商1,800万の規模で毎週月曜の朝に15分で更新している

Aセクション: 日次入出金(メインシート)

  1. 日付 — 当月1日〜末日まで全日
  2. 曜日 — 金土日の売上ピークを可視化
  3. 現金売上 — レジ締め後の現金実額
  4. カード売上 — カード会社入金予定日に反映
  5. QR決済売上 — PayPay等の入金サイクルを考慮
  6. 売上合計 — 上記3項目の自動合計
  7. 入金予定 — カード・QR・デリバリー各社からの振込予定
  8. 仕入支払(現金) — 市場・業者への現金払い
  9. 仕入支払(振込) — 月末締め翌月払いの振込予定
  10. 家賃引落し — 毎月3日 or 25日で固定
  11. 給与振込 — 25日振込が多い
  12. 社保・税金 — 社会保険料末日引落し 消費税・法人税の納期
  13. 水道光熱費 — 検針日翌月引落し
  14. 通信費・サブスク — POS・予約システム・保険料
  15. 融資返済 — 日本政策金融公庫・銀行の返済日
  16. リース料 — 厨房機器・POSリース
  17. その他支払 — 広告費・消耗品・修繕
  18. 当日収支 — 売上 − 支払の差額
  19. 日末残高 — 前日残高 + 当日収支
  20. 警告フラグ — 残高 < 警告ライン で赤セル

Bセクション: 週次サマリー

  1. 週次売上合計
  2. 週次支払合計
  3. 週末残高
  4. 前週比

Cセクション: 月次サマリー

  1. 月末残高予測
  2. 翌月3日時点残高予測 — ここが最重要
  3. 翌々月残高予測
  4. ショート予測日 — 残高がマイナスに転じる日

この28項目が最小構成 項目を減らすと意味がなくなる 増やしすぎると更新が面倒で続かない 会員さんの現場感覚で「ここが最小かつ十分」の落としどころ

現金ショートを40日前に発見した実例

状況: 月商1,800万円の焼肉3店舗オーナー

2025年11月 この焼肉店オーナーが日繰り表の翌月3日欄を見ると残高が マイナス85万円 になる予測が出ていた 更新日は10月20日 つまり43日後の資金ショートを10月20日の時点で検知した

内訳: なぜ85万円足りなくなるのか

日付 項目 金額 残高
11月1日 繰越残高 +320万円 320万円
11月2日 カード入金(10月後半分) +180万円 500万円
11月3日 家賃引落し(3店舗分) −165万円 335万円
11月3日 仕入支払(月末締め分) −280万円 55万円
11月3日 リース料・保険料 −40万円 15万円
11月3日 消費税納付(中間) −100万円 −85万円

通常月なら家賃と仕入と給与だけなので余裕があった しかし11月3日は消費税中間納付100万円が重なっていた これが日繰り表で可視化されていなければ11月3日の朝に口座を見て青ざめることになる

対策: 43日あれば打てる手は多い

  1. 日本政策金融公庫に追加融資申請 — 審査2〜3週間で間に合う 150万円借入で着地
  2. 仕入先に支払いサイト延長交渉 — 11月末締め → 12月末払いで合意 280万円を30日後ろ倒し
  3. カード会社の入金サイクル変更 — 月2回入金から月4回入金に変更申請

結果 11月3日の残高は +75万円で着地 ショートせずに済んだ もし日繰り表がなければ11月2日か3日に初めて気づき 消費者金融に駆け込むことになる 40日前の察知と前日の察知では打てる手の数と質が100倍違う

警告ラインの設定 — 残高が何日分を切ったら赤信号か

日繰り表の核心は「警告ラインをいくらに設定するか」 会員さんの現場感覚で言うと以下の3段階がちょうどいい

ライン 基準 対応
青ライン(安全) 月次支払の60日分以上 通常運営
黄ライン(注意) 月次支払の30〜60日分 固定費見直し・融資検討を開始
赤ライン(警告) 月次支払の30日分未満 即時行動 融資申請・支払延長交渉・売上対策

月次支払が500万円の店なら 青=1,000万以上 黄=500〜1,000万 赤=500万未満 Excelで条件付き書式を設定し残高セルを自動で色分けする これで一目で状態が見える

Excelで自動計算する5つの式

1. 日末残高の自動計算

=前日の日末残高セル + 当日収支セル
これを1行目から末日まで引っ張るだけ 当日収支は =売上合計 − 支払合計 で算出

2. 警告フラグの条件付き書式

残高セルに条件付き書式を設定 セル値 < 警告ライン なら赤塗り セル値 < 黄ライン なら黄塗り これだけでショート予測が一目瞭然

3. ショート予測日の抽出

=MATCH(TRUE,残高範囲<0,0) 配列数式で最初にマイナスになる行を抽出 該当日をショート予測日として表示

4. 月末残高の自動集計

=SUMIF(日付範囲,"="&EOMONTH(TODAY(),0),残高範囲) で月末時点の残高を自動表示 複数月分のサマリーを作れる

5. カード入金の自動反映

カード会社ごとに入金サイクルが違う 例: 月末締め翌月10日入金なら =SUMIF(売上日付,"<="&EOMONTH(入金日,-1),カード売上) で前月末までの売上を入金日に自動反映

日繰り表が続かない人の共通点

  • 項目を増やしすぎる — 最初から50項目作って3日で挫折 最小28項目で十分
  • 毎日更新しようとする — 週1回月曜朝15分で十分 毎日は続かない
  • 売上だけ入力して支払いを入力しない — これでは半分の機能しか使えない 引落予定日こそが本丸
  • 通帳と突合しない — 予測と実績を週1で照合する この作業なしでは精度が上がらない
  • スタッフに任せる — 経営者本人が見ないと意味がない 日繰り表は社長の仕事

日繰り表を作るための5つのアクション

  1. 今すぐExcelを開いて当月1日〜末日までの日付行を作る — 着手することが一番大事
  2. 通帳とクレジットカード明細を3ヶ月分揃える — 過去3ヶ月の実績を入力して平均値を把握
  3. 固定引落しの日付と金額を全リスト化する — 家賃・保険・リース・サブスク 漏れ防止
  4. カード会社・QR決済の入金サイクルを各社に電話確認する — ここが一番間違える
  5. 警告ラインを月次支払の60日分・30日分の2段階で設定する — 条件付き書式で色分け

よくある質問

Q. 会計ソフト(マネーフォワード・freee)では足りないですか

会計ソフトの資金繰り表は月次ベース 日単位の精度がない 月末残高は見えても月の途中で起きるショートは見えない マネーフォワードやfreeeの資金繰りレポートと日繰り表Excelは併用するのが正解

Q. 日繰り表を更新する時間がありません

週1回月曜朝15分でいい 毎日やる必要はない 月曜朝に先週の実績を入力し 今週の予定を確認するだけ この15分を惜しんで資金ショートするのは本末転倒

Q. 複数店舗の場合はどう作りますか

店舗別に日繰り表シートを作り 最終的に「全店合算シート」で統合する 各店舗の当日収支と日末残高を一覧化して全店の現金フローを1画面で把握できるようにする 先ほどの3店舗焼肉店もこの方式

Q. 予測精度を上げるコツはありますか

過去12ヶ月の実績データを蓄積すること 売上は曜日・天候・イベントで大きく動く 過去データから曜日別平均を算出して将来の売上予測精度を上げる 最初は誤差30%あっても3ヶ月運用すれば誤差10%以内に収まる

Q. 無料のテンプレートを配布していますか

店舗経営者俱楽部会員さん限定で焼肉店オーナーのExcelテンプレを共有している 無制限で無料配布はしていない 有償配布はしないが会員コミュニティ内で現物を見ながら自分の店用にカスタマイズする勉強会を定期開催している

現金管理は経営の生命線 — 計算できない経営は運転できない

店舗経営で倒れる店の9割は 赤字で倒れるのではなく現金ショートで倒れる 利益が出ていても現金が尽きれば終わり 逆に赤字月が続いても現金さえ回せば続けられる 現金管理は精神論ではなく技術 Excelの表1枚で経営の生死が決まる

この記事を読んで「作ってみよう」と思った人は 今すぐExcelを開いて当月の日付行を作るところから始めてほしい 28項目全部を一度に作る必要はない 日付・売上・支払・残高の4列だけで十分 それを3ヶ月続けたら自然と項目が増えていく

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